意外と知らない尿酸値の真実|あの噂のウソ・ホント~前編~
普段からお酒を飲むことが多い方にとって、ちょっぴり気になる「尿酸値」の存在。健康に影響を及ぼすだけではなく、痛風との関係が深いと言われていることから、危機感を覚えている方が少なくありません。
とはいえ、尿酸値は普段の生活ではあまり馴染みがないものです。「そもそも尿酸値とは何なのか」もイメージしにくいのではないでしょうか。
そこで、今回は痛風の概要や、尿酸値における「噂の真相」について、詳しくご紹介します。
前編は、尿酸値にまつわる「ウソ」についてです。
【ライタープロフィール】
健康や美容に関するセミナーでの情報収集が趣味。アラサーを迎え、心身の疲れを感じるようになり危機感を抱くように…。サプリメントを取り入れたり、健康グッズを取り入れたりして健康を意識した生活を送っています。
尿酸値とは
尿酸は、主に肝臓などで分解されたプリン体のカスであり、体内にとどまる不要物質の基準を「尿酸値」と呼びます。
プリン体は生きていくうえで必須の物質であり、体内で生成されるのが特徴です。さらに、食べ物や飲み物などからもプリン体を摂取することができます。
摂取・生成されたプリン体は、一旦体内にとどまりますが、排泄物と一緒に体外に排出されます。
しかし、排出量よりも、摂取・生成量が上回ってしまうと、体内にとどまる尿酸の量が増え、痛風を招くことがあるのです。「足の指の付け根の痛み」は、まさに痛風の典型的な症状。尿酸値が上昇するにつれて、痛風のリスクは高まります。
尿酸値のウソ
尿酸値については、常にさまざまな噂が飛び交っていますが、事実ではないものも少なくありません。
ここからは、「尿酸値のウソ」として、誤った噂を解説します。
① プリン体ゼロのお酒は尿酸値が上がらない
近年は、尿酸値が気になる方でも安心して飲めるお酒として「プリン体ゼロ」の商品が増えています。一般的にプリン体ゼロのお酒なら、尿酸値が上がらないと考えられていますが、実際は「アルコールそのものに尿酸値を上げる働き」があります。アルコールは体内の尿酸生成を増加させる上、尿中への尿酸の排泄を阻害する働きがあるのです。仮に、プリン体ゼロのお酒を飲んでも、尿酸値の上昇を完全に防ぐことはできないため、控えたほうがいいでしょう。
② イクラにはプリン体が多い
尿酸値やプリン体の噂としてよく耳にするのが「イクラにはプリン体が多い」というもの。しかし、実際はイクラのプリン体は100g中3.7mgと、少ない傾向にあります。反対に、プリン体が多いのは、レバーや白子といった食品です。豚レバーは100g中284.8mg、イサキの白子には305.5mgのプリン体が含まれているので、注意が必要です。
参考:https://www.tufu.or.jp/pdf/purine_food.pdf
③ 尿酸値を下げるために激しい筋トレを行う
尿酸値を下げるために激しい筋トレを行うことは、実は尿酸値の上昇を招きます。
運動や食事制限などは、尿酸値を下げるうえで有効な取り組みです。しかし、筋トレを始めとする無酸素運動は、尿酸値が高くなりやすいのです。 無酸素運動には、新陳代謝を活発にする効果があるとされています。新陳代謝が活発になることで、尿酸値の生成が促されると考えられています。
運動を取り入れるなら、ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動がおすすめです。
④ 痛風は中高年以上に発症するもの
痛風と言えば、中高年男性が発症するイメージがありますが、実際は性別や世代を問わずに発症するケースが増えています。
現在は若い世代の痛風患者が増加傾向にあり、深刻な問題として考えられています。 その背景には、生活習慣の変化が関係しています。運動不足やストレス、飲酒は痛風の発症誘因となり、コロナ禍によるお家時間の増加が拍車をかけているとも考えられます。
今回は、尿酸値にまつわる誤った情報をご紹介しました。皆さんの中にも、知らなかったことはありましたか?
次回は尿酸値の「ホント」をご紹介しますので、お楽しみに!