薬膳の効能とは?おうちで簡単にできるレシピもご紹介~前編~
冬になると特に気になる冷え。体の冷えはさまざまな不快症状を引き起こす原因にもなります。そんな症状を薬膳で緩やかに改善していきませんか?体の内側から温めて、寒い冬を健やかに乗り切りましょう。
【ライタープロフィール】
調理師の資格を持ち、さまざまなジャンルの料理店で経験を積んだフリーランスの料理人ライター。3児の母でもあり、色々な食材と向き合い料理をする日々。旬の野菜を使った料理が得意。
そもそも薬膳とは?
「未病」という言葉を聞いたことはありますか?「未病」とは中国の古い医学書に記されている言葉で、病気ではないけれどなんとなく不調を感じる状態のこと。例えば「体がだるい」「よく眠れない」「肩こりがひどい」「疲れが取れない」「手足が冷える」といった状態です。
「未病」は病気に向かっている状態ともいえます。健康を維持するには病気になる前の治療こそが重要だといわれています。
薬膳は約3000年前に中国で生まれ、長い歳月を経て現在まで受け継がれてきました。東洋医学(漢方)の理論に基づき、「未病」を改善することを目的とした食材と生薬を組み合わせた料理が薬膳です。薬膳は、予防医学の原点ともいわれています。
薬膳にはどんな効果や効能があるの?
薬膳に期待できる主な効果は、冷え解消とデトックス効果です。
一つ目の効果は冷え解消。薬膳には、体を温める食材や血行を促進する食材があります。それらの食材を組み合わせることで、新陳代謝を促し冷えた体を温める効果が期待できます。
さらに、冷え解消に良い食材を鍋料理や煮物にして食することで、より温熱効果が高まります。
また薬膳には、デトックス効果もあります。忙しいとついコンビニ弁当やお惣菜、ファストフードで手軽に食事を済ませるという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それら食品を食べ過ぎると塩分や糖分、脂質、食品添加物の過剰摂取になり、糖尿病や高血圧といった生活習慣病を引き起こす恐れもあります。
薬膳には体の中に溜まった余分なものを排出し、体の巡りを整える働きがあります。体の巡りがスムーズになることで、病気に対する免疫力も上がっていきます。
薬膳を取り入れて健康的な生活を
薬膳は、食材や組み合わせによって体にうれしいさまざまな効果が期待できます。
家庭で取り入れるのは難しそうといったイメージもあるかもしれませんが、手に入りやすい食べ物だけで作ることも可能です。
後編では、実際に旬の食材を取り入れた簡単薬膳レシピ「サムゲタン」と「薬膳カレー」の作り方をご紹介します。お楽しみに!